イントロダクション

イヴ・サンローラン―― 終わりなき至上の“美”

『人は生きるために美を必要とする。』
トラぺーズライン、モンドリアン、スモーキング、サファリ・ルック、パンタロン…数多くの美の結晶を生み出した、フランスを代表する伝説のファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。
誰よりも時代の喝采を浴び、
誰よりも孤独で壮絶に生きた ─── モード界の神。
プレタポルテの開拓によってもたらした、多くの人々への美の享受。
その偉大な功績と人生の足跡を、音楽に彩られた束の間の幻として浮かび上がらせる、ミュージカル「イヴ・サンローラン」。これはイヴのパートナー、ピエール・ベルジェが垣間見たイヴの人生のタペストリーであり、
「能」のごとく死者が語る前世の物語である。

そして何よりも、美に囚われた「極度に神経質な、痛ましくも素晴らしい一族」の叙事詩なのである。

ミュージカル「イヴ・サンローラン」

本作は、フランスを代表する伝説のファッションデザイナー イヴ・サンローランの華麗な人生の光と影を、ファンタジックに、そしてドラマチックに描くミュージカル。脚本・作詞・演出を担当するのは、荻田浩一。宝塚歌劇団在団中から文化庁芸術祭演劇部門優秀賞を受賞し、退団後もミュージカルだけでなくストレートプレイやショーの演出も手がけて高い評価を得ており、世界的に有名なイヴ・サンローランの人生をミュージカルとしてどのように描くかが期待される。

イヴ・サンローラン役には、類い稀なる身体能力で魅了する東山義久と、圧倒的な歌唱力で人気の海宝直人がダブルキャストで演じる。そして、舞台を中心に活躍している上原理生、大山真志、川原一馬、神田恭兵、奥田 努、和田泰右といった若手注目株の男性俳優陣が脇を固め、伊東弘美、皆本麻帆、安寿ミラが華を添えて、イヴ・サンローランの切なくも美しい人生を謳い上げる。

ミュージカル「イヴ・サンローラン」

ミュージカル「イヴ・サンローラン」

フランスが誇る世界的なファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。有名デザイナーであるクリスチャン・ディオールが急逝し、21歳の若さで後継者として抜擢され 「クリスチャン・ディオール」の主任デザイナーに就任。<トラペーズライン>というデザインを発表し、人気が不動のものとなる。
1960年にはアルジェリア独立戦争に徴兵され、その影響もありクリスチャン・ディオールのデザイナーを退任。その後50年を共に過ごすこととなるパートナー、ピエール・ベルジュと自身のオートクテュール「イヴ・サンローラン」を立ち上げ、次々と革新的なデザインを発表し、“モードの帝王”と呼ばれるようになる。
2002年にはデザイナーを引退し、2008年にガンのため逝去。71歳だった。

フランスの最高勲章レジオンドヌール勲章グラントフィシエや、デ・ドール賞を授与しており、約40年に渡りトップデザイナーとしてファッション業界をリードした、20世紀を代表する世界的デザイナーである。

現在、パリのピエール・ベルジェ-イヴ・サンローラン財団はイヴ・サンローランの作品を保存し、イヴ・サンローランの仕事を広く紹介する役割を果たしており、2017年にパリとマラケシュでイヴ・サンローランミュージアムをオープンした。

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